「愛がいない部屋」 石田衣良

東京神楽坂にある33階建て高層マンションに住む(あるいはこれから住む)人々の様々な生活模様を描いた10編。
一つもハッピーエンドはないのだが、どんよりとした気分にならないのは不思議。
ニートとなった息子を持つ父親の姿を描いた「ホームシアター」が非常によかった。老齢となった女性の恋愛を描く「落ち葉焚き」、マンション購入を決意したキャリアウーマンを描いた「いばらの城」も寂しさと未来への希望とが入り混じる印象深い話。一気に読んでしまえるので寝る前のちょっとした時間の読書には最適かも。