いま,会いにゆきます

ブックオフで偶然発見。あっさり二日で読了。賛否両論あるようだが,他者のレビューに出てくるキーワードとしては,「泣ける」「純愛」「ファンタジー」「SF(?)」といったところか。
私の感想としては,よくできたファンタジー小説だな,ということが第1印象。文章が稚拙なのを,病気の巧(主人公の旦那)が書いた小説,というスタイルにすることで違和感をなくしている(誤魔化しているとも取れる)。純愛なのかどうかは別にして,これを「泣ける恋愛小説」として認識するのは間違いではないか?と。
単純な「黄泉がえり」ものとして読んでいたが,ラストでちょっとだけひっくり返された。なるほど。そういうことだったか。腹を決めた女性はやはり強い。

方々で指摘されているのもごもっとも。細かいところを突っ込めば色々あるけれど,これはこれでいいと思う。不完全さがもたらした日常性というか,あまりにも「小説」然としていないことが逆にこの本の魅力ではないかと感じた。

しかし,この物語に関してははまり役がいれば映像化した方がいいと思う。上述のように文章が稚拙であるため,心理,情景描写が足りない。幸い無理な設定ではないことだし,映画の方がきっといいのかな。竹内結子は雰囲気がちょうど合っている気がする。
映画のDVDに期待。