「ダウン・ツ・ヘブン」 森博嗣

スカイ・クロラから続く戦闘機乗り、草薙水素シリーズ3作目。相変わらず飛行シーンの文章の紡ぎ方が最高。下手な映像をみるよりよほどよい。
今作では、草薙水素が基地を離れ、都会にやってくる。そこで目にするものは自分に対する企業の姿勢。不老不死(正確には死ぬけど)とされるキルドレであり、かつエースパイロットである草薙に対して、企業はマスコットキャラクターのようなものを期待する。対して、草薙はとにかく空を舞っていたい。
しかしながら、絶対的な権力の前にはどうにもならない。相変わらずの生と死にまつわる話も登場するが、全編に感じられる透明感がやはり心地よい。
残り2冊登場するようなので、楽しみ。