「愛がいない部屋」 石田衣良

東京神楽坂にある33階建て高層マンションに住む(あるいはこれから住む)人々の様々な生活模様を描いた10編。
一つもハッピーエンドはないのだが、どんよりとした気分にならないのは不思議。
ニートとなった息子を持つ父親の姿を描いた「ホームシアター」が非常によかった。老齢となった女性の恋愛を描く「落ち葉焚き」、マンション購入を決意したキャリアウーマンを描いた「いばらの城」も寂しさと未来への希望とが入り混じる印象深い話。一気に読んでしまえるので寝る前のちょっとした時間の読書には最適かも。

ナショナル・トレジャー

現代のお宝探し映画。パイレーツ・オブ・カリビアン的なノリを期待して見たが、楽しめた。独立宣言書の裏に書かれた地図や、思わぬところに存在した財宝。タイトルのナショナル・トレジャーの意味が最後に明かされる。
ビール片手にのんびり見るのにはうってつけ。
また、犠牲者が一人しか出ない(これも銃撃戦で殺されるわけではない)のもよい。

「秘密。」 ダヴィンチ編集部

なんとなく目に留まったのと、軽い気持ちで読めそうだったので購入。
一つの出来事をそれに関わる二人の視点から描いた12偏の短編集。一人の視点からの出来事の描写はたかだか4ページ程度であるにも関わらず、情景が鮮明に浮かぶ。長い文章で細かい説明をすればいいというのではなく、ほんの少しの描写によってこうまで変わるものかと感嘆した。
個人的に気に入った作品は”三浦しをん”氏のもの。短いながらも凝縮された、充実した短編集だった。

「今夜はパラシュート博物館へ」 森博嗣

最新作「レタス・フライ」の最後の5文字の意味がわからなかったため、ネットで情報を入手し購入。
なるほどぉ。話がつながった。ってか、この作品からレタス・フライまでは間にかなりのノベルスを挟んでいて。。。ここで繋げるかよ。みたいな印象。
他の作品に関してはオチがあるようなないような。ちょっともやもやしながらも楽しめる作品。参りました。

伊豆沼夕景


鳴子に温泉に行きながら、ちょっと遠回りをして伊豆沼へ。
以前から一度は以降と思っていたのだが、ようやく行くことが出来た。
奥羽山脈に沈む夕日がすばらしい。また、白鳥、鴨、雁などの渡り鳥が羽を休めているので、瞬く間に時間がすぎた。その中から一枚。
”春を待つ”

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この手の話題を書くのはどうしようか迷ったが、まぁ備忘録なので気にせず書くことにした。
ライブドア騒動。結局のところ、社長その他幹部が還流疑惑で逮捕という結果となり、メディアはそれこそお祭り騒ぎ。ここでメディアの対応、堀江社長の対応の是非を論じるつもりは全くない(どちらも問題があるように思えて、どちらかに責任を擦り付ければすむ問題ではない)が、個人的に感じたことを書くことにする。
不正があったかどうかはともかくとして、個人的にライブドアという会社に好意は抱いていない。それは、ライブドアという会社に確固たるオリジナリティが感じられないためだ。ITベンチャーであるとすれば、自らの提案するサービスにより利益を上げるべきで(実質的に利益を上げるものが他のものであったとしても)、少なくとも社長のパフォーマンスのみに頼った経営(個人的にはそう見える)というのは、果たしてITベンチャー企業して成立しているのだろうか?そして、違法ギリギリのラインでの株取引により他社を買収する。金を稼ぐことはできるかもしれないが、それは本当の意味で力を持っていることになるのか?
彼に本当に力があるのなら、なぜライブドアを手放して新たに起業することを考えなかったのか?ライブドアならではのサービスが今までに現れていないのはなぜか?実際にはそうした新たなサービスを打ち立てられないことへの対策として、社長が道化と化したのではないのか?今後のIT関連企業はどう動いていくことになるのだろう?
そんなことを考えた騒動だった。

「レタス・フライ」 森博嗣

Vシリーズ、Gシリーズ(?)の短編を含んだ9編の短編集。
こんな繋げ方をありですか。皆さん年とってるようには見えない。時間軸を整理しないと頭がついていかない。次の「εに誓って」で少しは人物相間がはっきりしてくるのだろうか。いや、それにしても。。。ちゃんと医者になったのね。Dr.コトーになってるけど。。。