「変身」 東野圭吾

強盗に頭を拳銃で撃ちぬかれた主人公が脳移植手術により生還。しかし,その主人公の性格は,次第にドナーと思われる人間のものへと「変身」していく。というのが大まかなストーリー。
命題は一つ。「果たして個人を決定付けているのは何なのか?」であったと思う。外見,性格,どちらなのだろう?前者であるなら,整形はどうなんだろう?映画などで整形して逃げ回るなんて話はよく出てくるが,どこまで違うと別人と認定されるのであろう?後者であるならば,それを支配している部位は脳であると言えそうだ。では,脳のどの部分?一部がすりかわった場合は別人ではない?
医学の進歩で人間の様々な部品が交換あるいは移植可能になってきてはいるが,それによって本人の人格に変化が出るとしたら。。。というようなことを夜中に考えてしまった本であった。
映画化されるらしいが,きっと恋愛のところがやたらと表立って演出されて話が薄っぺらくなってしまうんだろうなぁ。。。。。